きてきて先生プロジェクト草創期~コンセプトメイク

きてきて先生プロジェクトとは一芸に秀でた社会人講師が学校で授業をする活動。
2000年にNPOとして有志が集まり、2015年に一般社団法人化しました。
今までに、小中高大1000組の出会いを作りました。
今でこそたくさんの教育支援プロジェクトがありますが、2000年にはそんな団体はほぼゼロ。
自分自身が何者かもわからない状態でした。
その草創期からをつづります。
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ファウンダーのひとりにプロジェクト参加を誘われた私。ファウンダーはそのほかに2人いました。
向いている方向も仕事の仕方も考え方も全く違いました。
リクルート社でキャリアの仕事をしていたH氏。
たぶん、コンセプトメイクなどは彼が中心になったのではないかと推測します。
(私が参加したときにはもうできあがっていましたので違っているかもしれませんが。)
「全国の総合学習の実践を見てきて、社会人講師の授業がうまくいっていないと感じていた。
最大の問題は講師が持つコンテンツを、子供たちが興味関心を示すようにデザインし授業化する
プロデュース機能がないことだと思っていた」(日本経済新聞2002年8月17日「きてきて先生プロジェクト」報告より)
教科の枠を超えた探究型の教科である総合学習(総合的な学習の時間)導入が平成14年。
H氏が感じた課題は明確でした。
それを解決するべき「※デザインし授業化するプロデュース機能」とはよく言ったものです。
私がずっと課題にしてきている「カリキュラムコーディネート」についてを彼はその時にすでに
明確に目的化していたのです。
この課題に対してメンバーたちはコンセプトを考えました。
「もっとも時間と労力をかけたのがプロジェクトのコンセプト固めだった」
(日本経済新聞2002年8月17日「きてきて先生プロジェクト」報告より)
とH氏がかたるように、議論を尽くしたうえで出てきたのが
①知的好奇心を喚起できる授業
②体験学習ができる授業
③終わってから子供の変化が期待できる授業
の三原則でした。
これにより、単なるイベントを行うだけの授業をしてはいけない。という意識がメンバーに浸透しました。
この3つは初期メンバーが知恵の結晶ですが、今の言葉で置き換えると「アクティブラーニング」ですよね。
①は能動的に学ぶ意欲の喚起ですし・・・・。
ようやく教育界に芽生え始めてきた概念を15年前に固めていたH氏をはじめとする「きてきて先生プロジェクトの先人」たちの先見の明に深い尊敬と感慨を覚えます。
今ではたくさんの団体が教育プログラムを持っていますが、そのほとんどは「イベント型」の授業です。
学校で実施するにもかかわらず、学校と協働する気はないと言い切る団体も中にはあることを調査で知りました。
さて、コンセプトができても、講師を集めたり、実施場所を探したり・・・・
特に実施場所については誰でも悩むところ。ここにもう一人のファウンダーの活躍があるのですがこれはまた次回。
〇写真はイメージです。本文とは関係ありません。